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アンケート回答 治療法:スポーツ疾患

 

【疾患】スポーツ疾患の症例

 

 

スポーツ医療に携わることは、鍼灸・柔道整復を問わず、学生にとって憧れでもあるようです。このページでは、学生からの問い合わせも多かった「スポーツ医療」の症例について紹介します。

 

スポーツ疾患 症例

 

患者属性

年齢:30代

性別:男性

職業:会社員 主訴:左下腿内側下部1/3の痛み

来院動機

2016年2月にサッカーをしている時に、左下腿内側下部に違和感が出た。

痛みはなかったので通常通り運動を行なった。その後、歩行時・走行時に徐々に患部に痛みが出始め、安静にしていたが痛みが引かず、近所の整骨院で受診。それでも症状が改善されず、痛みを取ってほしいと来院。

 

生活習慣について

・患者の生活習慣

・デスクワーク

・週2回程運動

・睡眠時間 約6時間/日

・呼吸浅め

・食事 昼、夜2回/日

・病歴:特になし

・服薬:特になし

 

検査所見

歩行、走行時の疼痛 (+)

患部圧痛 (+)

熱感 (+)

腫脹(+)

O脚気味

膝、足関節が回外気味

偏平足

 

検査の結果、シンスプリントの疑い有り

 

 

治療計画

1,オーバユースの他に偏平足で足のアーチが低く、衝撃が上手く逃がせず脚に直接伝えてしまっている。

2,足関節の動きが悪く、可動域が狭い。

3,回外で脛部の筋を過剰に引っ張っている。

4,O脚・膝の外反で下腿に負荷をかけている。

5,股関節の可動域が狭く、周りの筋が過緊張している。

 

これらが痛みの原因だと仮定し、この仮定を中心に治療を組み立てた。

 

患者には下腿下部の疼痛・圧痛以外にも腰部~足底にかけて強い張り、アライメントの異常があり、患部を中心にそこもバランス良く治療し、疼痛の緩和除去、アライメント異常の改善を目指すことに。

 

自宅でのアイシングと、週に一度の来院を提案。

 

 

治療内容

足底筋、後脛骨筋、ヒラメ筋、腓腹筋、膝窩筋、腸脛靭帯、ハムストリングス、大腿筋膜張筋、小臀筋、中臀筋、仙腸関節、起立筋、腰方形筋に刺鍼。

 

足底筋、中封、足三里の運動鍼、臀部に低周波通電、圧痛部に灸頭鍼、透熱灸、足関節マニュピレーション、股関節ストレッチ等

 

特に下記の部位を重視。

 

 

足底筋 足の甲の骨はアーチ状になっていて衝撃を和らげるクッションのような働きをする。普段から常に負荷が掛かるところであり、足底筋が硬くなることによって足関節の動き、アキレス腱が硬くなり下腿の筋肉にも影響を及ぼす。

 

足底筋を緩めることにより、足関節の動きをスムーズにし脚全体の衝撃を和らげることができる。

 

 

後脛骨筋

下腿内側は血管、神経が通っている場所なので緊張することにより、浮腫み、冷え、脚全体に血液が廻らなくなり、他の筋も硬くしてしまう。

 

 

ヒラメ筋・腓腹筋

筋の延長にアキレス腱があるため、ここが緊張することにより、足関節、足底筋の動きが悪くなる。

 

 

膝窩筋

膝関節の屈曲、伸展の可動域に大きな役割を担い、緊張することにより大腿四頭筋、ハムストリングスの動きも悪くなり、臀部、腰部痛みが出やすくなる。

 

刺激が強すぎると倦怠感が残りやすいので注意する。

 

小臀筋、中臀筋

上手く作用しなくなると足のだるさ、張り、骨盤の動きが悪くなり、下腿、下肢の緊張を取り除くのに用いる。

 

 

大腿筋膜張筋、仙腸関節

股関節の動き、骨盤の動きを良くし、下肢の緊張を軽減することにより、過緊張が取れることにより骨盤、関節が元の位置に戻りやすくなる。

 

 

中封

前脛部の腱を貫くイメージで刺鍼する。

ここにアプローチすることにより、下腿、アキレス腱が緩み、足底、足関節の動きがスムーズになる。

 

 

治療経過

※患部の疼痛はNRSで経過観察

 

施術前 10

施術後(1回目) 7

施術後(2回目) 4

施術後(3回目) 2

施術後(4回目) 0

 

治療を重ねていくにつれ、疼痛、圧痛減少、4回目の治療の時点で完全に消失した。

次回から足関節、膝関節のアライメント異常、腰部~下腿の筋の過緊張を中心とした治療に移行。

 

予後

症状が改善され、通常通りに運動ができているが、再度のオーバーユースや原因改善が無ければ再発すると予想されるので、今後はオーバーユースを控え、再発の防止、他の故障が起きないようにし、定期的な身体のメンテナンスを続けていくものとする。

 

以上。

 

執筆者:ビファイン代々木公園 鍼灸師 はまじ

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