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アンケート回答 治療法:頭痛

【疾患】頭痛の治療について

 

頭痛に対する悩みを持たれている患者さんが来院された場合は、どのように治療すれば良いのでしょうか。このページでは、頭痛に対する鍼灸治療について解説します。

 

頭痛に対する鍼灸治療

 

繰り返し作業や、同じ姿勢を保つことは、筋肉にとっては「運動している」という状態であり、この運動に対する自然なからだの反応として、筋肉の緊張が生じる。

 

筋肉の緊張は、血管や神経を締め付け、交感神経を興奮させる。これを長く続けると、交感神経の過緊張が生じる。

 

1. 緊張性頭痛

 

痛みの特徴

 

・頭をギューッと締め付けられるような痛み、圧迫感、重い感じがいつからともなくはじまりダラダラ続く

・後頭部を中心に両側が痛くなる

・首や肩のコリや目の痛みを伴う

 

痛みの原因

筋肉が緊張することから痛みが起こる。主な原因は下記の通り。

 

・日常的な姿勢の悪さ

・首の骨などの骨格・体型の歪み

・首や肩のコリ、緊張

・目の疲れ、歯の噛み合わせ

・ストレスや精神的な緊張

 

痛みの場所から診た主な原因筋

各筋にトリガーポイント(TP)が発生し、関連痛(普段感じている痛み)を引き起こしている事例が多い。圧痛部位を押すと頭部の痛みが出現したり、逃避反射が起きる。

 

1,頭部分界線

第一頸椎と後頭骨の隙間

TP:風池穴付近でやや後頭骨側に多くみられる

関連痛:後頭部・目の奥・頭頂部

 

2,胸鎖乳突筋

TP:胸骨頭側に多くみられ、上1/4・中央がよく使われる。

関連痛:後頭部・目の上・前頭部

ポイントは母指と示指でしっかりと筋を掴み確認すること。

 

3,僧帽筋

TP:上部繊維に集中 特に肩井穴付近

関連痛:側頭部~こめかみ

ポイントは肩井はえぐるように押すし僧帽筋を剥がすように治療を行う。

 

4,顎関節

咬筋

TP:下関穴付近 頬骨下縁後方1/2

関連痛:こめかみ・眉の上

 

2,群発性頭痛

 

痛みの特徴

・慢性頭痛で最大級の強烈な痛み。目の奥がえぐられるよう、じっとしていられない

・決まった片側が痛む 特に目の奥が痛い

・持続時間は1~2時間 ある期間毎日のように決まった時間に起こる

・直前に目のかすみ、首のはりなどの前触れがある

・目の充血、涙目、鼻水などの自律神経症状を伴う

・男性に多い

 

痛みの原因

原因はわかっていません。が、こめかみの血管拡張がおきているためといわれています。また流涙や鼻水の症状から自律神経の乱れが出ているためともいわれている。

 

 

頭痛 症例その1

 

患者属性

年齢:20

性別:女性

職業:デスクワーク

主訴:こめかみから後頭部にかけて締め付けられるような頭痛がする。

 

来院動機

1年前から、慢性的に頭痛がしている。慢性的な肩こり症。

近所の内科で診てもらい、緊張型頭痛といわれた。

朝起きて、会社に行き、デスクワークをすると痛くなる。

連日性に痛み、最近は、ほぼ毎日、頭痛がする。

マッサージを受けたり、お風呂に入っても、少しもよくならない。

不眠気味で、2,3年前より、寝入りが悪くなり、途中で目が覚めるようになってきた。

 

治療内容

鍼灸施術

頭部圧痛点・症状発生部位・分界線(後頭隆起)へじっくりと響かせたあと置鍼。(頭維、曲えん、完骨)

 

こめかみ痛:咬筋のトリガーポイントを使用。

後頭部痛:僧帽筋のトリガーポイントを使用。

 

マッサージで体の筋緊張を取りながら肩甲骨・骨盤可動域回復とストレッチ。

板状筋・起立筋・肩甲挙筋への電気刺激と呼吸補助筋(斜角筋・大腰筋)へのアプローチをした。

 

予後

施術後、症状消失しその晩は一度も目覚めることなく朝を迎える事ができた。しかし忙しい日が続くと再発してしまうため、3か月間は週に一度の鍼灸治療を行い、現在では症状がなくなった。

 

 

頭痛 症例その2

 

患者属性

年齢:40

性別:女性

職業:保育士

主訴:前額部から頭頂部にかけての頭痛、後頭部の痛み

 

来院動機

仕事を始めた頃から、頭痛、肩こり、腰痛になり悩むように。

頭痛は定期的に起こり、前額部から頭頂部にかけてズキズキと脈が打つように痛く、呼吸もしづらくなってくる。時には頭痛に吐き気を伴い、後頭部も痛くなる。

生理痛も酷く、鎮痛剤は欠かせない。

また右の側頭部から頭全体に痛み、顔が痙攣するなどの症状も。症状を和らげるために昼間は薬を飲むなどするが、夜になると頭痛と吐き気が起こる。

 

治療内容

鍼灸施術

 

初回は症状改善の為に頭部・頚部・背部中心に。

側臥位で頭部の特に気になる部分(瞳子髎、上関、和髎、完骨、風池、天柱、百会)へ置鍼。

 

前額部痛:眼輪筋・咬筋のトリガーポイントを使用。

呼吸補助:胸鎖乳突筋・斜角筋のトリガーポイントを使用。

 

僧帽筋・菱形筋・肩甲挙筋のトリガーポイントもじっくりと刺激し、副交感神経優位になるように行った。また肩甲挙筋・板状筋に電気治療も行う。

肩甲骨周辺筋の緊張緩和と可動域改善もマッサージとストレッチをする。

肩こりの改善と頭痛の軽減・顔の痙攣が止まった。

 

2回目も同様の施術と上肢帯・下半身の緊張緩和と血流改善を図った。

巻き肩にもなっているため上肢屈筋群、大・小胸筋への刺鍼。

大腰筋のトリガーポイントを使用し横隔膜の動きも改善するように優しく刺鍼。今回は胸が開くようになり呼吸が深く吸えるようになり、姿勢が良くなった。

 

予後

3回目で頭痛、顔の痛み、痙攣は消失したが、疲労とストレスが溜まってくると頭痛は出てくるため、今現在も継続治療が必要との見方。

 

執筆者:ビファイン鍼灸整骨院 梅ヶ丘院 まえかわ

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