
第6回:最悪の上司が、反面教師として教えてくれたこと
Contents1 独立を目指すために不動産会社へ就職2 仕事を教えてくれない上司と職場に不満を溜め込む日々3...
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スタッフブログ
もうかなり前の話になりますが、私は高校を中退しています。 今思い起こせば、学校の中に仲良くなりたいと思う人があまりいなかったように思います。たまにいても皆、運動部系の部活に入っていて、帰宅部だった自分とは合いませんでした。部活に入っていないのはどちらかというとオタク気質というか、マニアックに何らかの趣味を持っているような生徒ばかり。自分から積極的に仲良くしたいと思える環境ではなかったのです。「環境の運」が悪かったのだ、と思っています。 大人になった今でも同じようなことが起きているのかもしれません。新しく知り合った人と最初は人間関係がうまくいっているように見えても、半年後にはまったくソリが合わなくなる。そんなことも何度か経験しました。大人なら自分の意志で環境を変えてしまえば何とかなるものですが、高校生の身分だとそうはいきません。 そんな私ですが、地元には気の合う友だちがいました。不良というほど悪さをしていたわけではないのですが、ちょっとしたイタズラを日々繰り返しているような、そんな悪友たちです。しかし高校に入ってからは一緒につるむ機会も少なくなりました。 高校時代にも、わずかながら友だちと呼べる相手はいました。何かにつけてマイナス思考の自分を励ましてくれる友だちや、学校を休みがちになるとわざわざ家に泊まりに来て「早く学校に来いよ」と声をかけてくれる友だちも。しかし彼らが部活で忙しくなると、自然と疎遠になっていってしまったのです。 私はいつしか、頑に登校を拒否するようになりました。高校という環境そのものを拒否していたのだと思います。「自分のいるべき場所はここではない」と感じたときに、すべてが耐えられなくなりました。 小さな頃からずっと、いちばん頼りにしていたおばあちゃんは、そんな私を見て悲しそうな顔をした後に「それならもう、やめなさい」と言いました。母の車で送ってもらい、高校へ退学届を出しに行った日のことは今でもはっきりと覚えています。当時の私は、本当に臆病な少年でした。 当時の経験が、経営者となった今につながっている部分があります。若い社員たちを見ていると、何かうまくいかないことが起きたとき、すぐに環境を変えたがる人が少なくないのです。かつてはリエイトでも、離職率が高い時期が続きました。 環境が人を変えるということは、確かにあります。鍼灸や保育は1分たりとも油断できない仕事。そのために必要な緊張感がちゃんと保たれるかどうかは、働く環境によって左右されるでしょう。だから過去に辞めていった社員たちを責めることはできません。高校生の頃の自分も同じ。環境を変えられないから、目の前のことから逃げるしかないのです。 でも今は、そうは思いません。環境は自分さえその気になれば、積極的に変えていくことができるからです。 たとえば鍼灸で提供するメニューは、60分の長いコースから10分、20分の短いコースまでさまざまです。社員の技術習熟度や対人コミュニケーション能力を見て適切なメニューを任せたり、もし人や風土の問題でなじめずにいるのであれば勤務する院を変えたりと、環境を変化させる方法はいくつもあります。一人ひとりに合ったやり方と場所で働くことができる。そんな状況を作れるようになりました。社員同士の人間関係がどうしてもうまくいかないなら、新しい院を作ってもいいとさえ思っています。 環境そのものを拒否してしまう社員の理由はさまざまでしょう。もしかしたら過去の私のように、孤独や葛藤の中で青春時代を過ごした原体験を持っているのかもしれません。そんな人でも、やがては自分の力で環境を変えられる強さを芯まで身につけたときに、一気に力を発揮できるようになると思うのです。 だから私は働きやすい環境、働き続けたいと思える環境を作ることに全力を注いでいます。子育てと仕事を両立しようとする社員のことを考えて、保育園の経営も始めました。 保育園は最初から順分満帆に儲かるようなビジネスではありません。私の経験上、一つ園を作れば、毎年借金が500万円から1000万円は発生します。補助金がなければ本当に苦しいビジネスです。 そんな数字の話もリエイトの社員は皆知っていますが、誰一人「やめたほうがいい」とは言いません。「そんな赤字を垂れ流すくらいなら俺たちの給料を上げてくれよ」と思ってもおかしくないでしょう。でも、リエイトのメンバーは皆「保育園は絶対にやめるべきではない」と思っている。働く環境を大切にしたいという思いが、少しずつ伝わっていった結果だと思っています。もし私が撤退すると言ったら、逆に皆が黙っていなかったでしょう。 私は今、現場に立つことのない、施術をしない経営者です。自分自身では1円も利益を生み出していません。そんな経営者の最大の任務は何なのか? それは、ここで働いてくれる人たちの環境をひたすら良くしていくことです。 「できれば忙しくないほうがいい」「給料は良いほうがいい」「仲の良い仲間と働きたい」……。そうしたことだけではない、社員皆が満足できる環境作りがあるはずです。それが何かを考え続けることが、私の重要な仕事だと思っています。 今はきついかもしれないけど、3年後は分からないよ。今と3年後では自分にとってのベストな環境は変わるから。そんなことを日々、語り続けています。
不登校、高校中退、そして鍼灸の道へ……。逆境の青春時代を乗り越え、「公のために尽くす」ことを信条にして、ビファイン治療院グループや保育園ベビーエイトなどのさまざまな事業を形にしてきた宮内あきら。これまでに味わってきた葛藤を打ち明けながら、逆転勝利を実現した人生観を綴ります。自然と疎遠になってしまった友人たち
環境を変えられないから、目の前のことから逃げるしかできない
社員皆が満足できる環境を作ることが経営者の仕事
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