アンケート回答 治療法:肩こり編

具体的な治療について

 

タイトル

【疾患】肩こりの治療について

 

本文

治療院に来院される患者さんの来院動機として多いものが、「肩凝り・腰痛に悩まされている」というものです。このページでは、治療の基本でもあり最も重要な治療のひとつでも「肩こり」に対する治療について紹介します。

 

 

・肩の治療について

 

肩こりをパターンに分けて考える

 

1,眼ばかり使うことによる肩こり。

目からくる肩コリは肩ではなく首の方のみにコリができる。

 

 

2,等尺性収縮による肩こり

仕事姿勢(姿勢保持)による肩こり。姿勢保持筋は等尺性運動が得意。

 

現代人は同一姿勢での仕事が多いため姿勢保持筋が悪くなる。等尺性運動は起止に負担がかかる。

等尺性収縮による肩こりは、肩甲骨が頸と腕の間にあることでその両方から引っ張られ引き起こされる肩こりがある。頸と小円筋の両方から引っ張られると肩甲骨上角にコリができる。

 

肩甲骨と頸の間で考えた場合、姿勢保持による等尺性収縮で起こる肩こりがある。この場合、上角にコリがないが、頸だけゴリゴリになる。

 

分界線のコリ。等張性により肩まわりの筋(ローテーターカフ)が硬くなり腕に引っ張られる。それにより頸の筋肉が上角に引っ張られてコリになる。

 

 

3,背中の硬さを3つに分けた肩こり。

脊椎上部1/3は精神面の疲れ、中部1/3は消化器の疲れ、下部1/3は全身の疲れが出る。

これを考慮した上で、硬結部位別に分けた治療方針を立てる。

 

 

4,姿勢(骨盤)からくる肩こり

うつ伏せの状態で仙骨部を擦上した際、腰椎からそのまま角度(前弯)がなく平らになっている場合がある。この場合、下部からの衝撃がストレートに頸部に伝わる為、頸肩部に張りがでる。アライメントを意識した治療が必要である。

 

 

5,長時間の座位による肩こり

座ってパソコンをする時の姿勢は前傾、腕を前に出していて、腰掛けて股関節、膝を曲げている状態。この姿勢の状態だと、股関節を曲げていることによって横隔膜は圧迫される。これにより、横隔膜が上手く下がりきらず、それを補う為、呼吸補助筋の斜角筋が過度に働くことにより障害されて肩こりが起こる。

 

 

肩こりの治療における理論について

 

1,重力

人間が立っていても座っていても重力は絶対的にかかるものである。人間の頭は約3kg。この重い頭を細い頚が支えている状態である。これにプラスして、重力というものがかかってくることによって、頚、肩には相当な負担がかかっているといえる。

 

重力がない状態というのは、水の中、プールなどである。泳ぐのは疲れるが、その後、体はリラックスした状態になる。水の中にいる間は重力がかかっていないからである。

 

重力というのは絶対的にあるものであって、人間はそれに逆らって生きているため、頚、肩への負担はなくなるものではない。女性に対して、このような訳だから頚を太くしましょう、筋肉をつけましょうとは言えない。従って、頚へのアプローチが必要である。

 

2,前頚部と後頚部の関係性

頚を前屈した状態で重力がかかると、後頚部が張ってしまう。前部は緩んでいる状態だが、縮こまってしまう状態、つまっている状態になる。

 

これを元に戻したとしても、前頚部は緩んでいただけにつまりがひどくなってしまう。

 

後頚部は張っていた状態のため、元に戻しても張りは残ってしまう状態となる。

 

前頚部にこりがある状態なら、後頚部にも張りはあり、後頚部に症状があるならば、前頚部にも症状が出てくることになる。

 

よって、どちらか一方ということは絶対になく、両方のアプローチが必要である。

 

3,姿勢保持筋は等尺性運動が得意

現代人は同一姿勢での仕事が多いため姿勢保持筋が悪くなる。

 

肩こり 症例

 

患者属性

主訴:頚肩こり

30 女性  デスクワーク中心の職

 

 

問診検査

・撫で肩、猫背

・頸後屈で違和感

・四肢末端に冷え、頭頚部に熱感

・やや動作時痛、安静時に腕にだるさ、温めると楽になる

・息が苦しい、やや吐き気もする

・顎が痛い

・側頭・目の奥の痛み

・疲れすぎて運動する元気もない

・寝つきが悪い、寝た気がしない

・朝食は食べず、昼食は食べられない日もあるが間食する、夕食は22時頃しっかり食べないと落ち着かない。

・最近異動でデスクワークが増えた。

・仕事が楽な日、休み中は症状は軽減。

・遊んでいても疲れてくると肩こりが気になる。

・健康診断で異常無し

・既往歴無し

 

 

鑑別

仕事姿勢からの姿勢悪化による頸・肩こりに加え、自律神経の乱れによる胸鎖乳突筋、僧帽筋の緊張による肩こり。付随して胸部・上肢の筋緊張あり。

 

 

治療計画

・こりの局所の筋ゆるめ、姿勢改善・随伴症状を緩和

・関連する筋を緩め、睡眠の質を上げ体力・気力の回復を促進

・週1回の通院を1か月

・主訴への対処療法の後、治療時間を短くして週1回の治療を2ヵ月程行う全身調整

3ヵ月単位の治療を提案。

 

 

治療内容

指圧:後頭下筋群、僧帽筋、脊柱起立筋

鍼:ディスポーザブルステンレス鍼 13-0番を使用。

後頭下筋群、僧帽筋、脊柱起立筋トリガーポイントの筋膜上に置鍼15分。慣れてきたらやわらかく雀沢。

胸鎖乳突筋、斜角筋、後頭下筋群、僧帽筋、脊柱起立筋、側頭筋、咬筋、腕頭骨筋、拇指対立筋単刺

灸:透熱灸(半米粒):失眠が温まるまで施灸(20壮、右15)

 

予後

治療2回目でほぼ違和感は無くなる。仕事が忙しいと、やや随伴症状が出る

 

 

息苦しい肩こりへのアプローチについて

 

息苦しい肩こりへのアプローチは、肩鎖関節の動きをよくすると良い。鎖骨についている筋肉をほぐすことで肩こりの改善になる。

 

鎖骨を指で挟んで腕を、外旋、内旋するとギシギシと音のなる人が多い。音がなるのはそれだけ動きが悪いということ。

 

この動きが悪い人は息を吸う時にもこの部分が動いてないので呼吸が浅い。何故ならば、例えば斜角筋を注視して考えてみる。斜角筋の停止、第一肋骨。これは胸郭を広げ酸素を取り込む第一動作になる。斜角筋の動きが悪くなることで胸郭の拡張を妨げる。

 

これに類似する筋として代表的なものは胸鎖乳突筋である。つまり肺を包み込む胸郭がしっかり機能出来ない。

 

なお第二動作として重要なのは胸郭の前面部にある小胸筋及び胸郭全体に付着する内外肋間筋である。そして第三動作として最重要なものは腸腰筋である。

 

執筆者:ビファイン鍼灸整骨院 梅ヶ丘院 たかはし

 

 

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